「石川九楊氏の講演会」
- 2007.11.23 Friday
- 書画メモ
今日は祝日でしたが、朝から大学で陶芸の集中講義があり行ってきました。実技というよりは、粘土ならではの特質をどのように活かせばよいか、という話です。
終わってから大急ぎで京都に帰り、
書家・石川九楊氏の講演会に向かいました。
テーマは、「筆尖が世界を変える」というもので、
氏の話が上手く、よく理解することができました。
たいていの書家や芸術家の講演や話を聞くと、解るようで解らない事に溢れています。
それは、話す言葉に、主観的な形容詞が多いからです。
解らなくはないんですが、聞いていて嫌になります。
例えば、「あの書は、爽やかさと現代感覚に溢れていいですよー」とか、「この線には味がある」とかなどです。
そんなこといわれても、「あなたの主観でしょ」と素朴に言い返したい。
共有できる言葉になっていないからです。
線に味なんて付いていないし、書をしない人に納得させられないと思います。
ごく短いエッセイを書くなら感覚的な表現もやむをえないのかもしれませんが、
長い時間を使えるのなら理詰めで行くべきだと思います。
反対に、石川氏の話すことには、その理論に賛成かどうかの話は別として、
書をしたことがない素人にも共有できるだろうな、という有意義な質を感じます。
今回の内容は、石川氏が書かれた『失われた書を求めて』(岩波書店)という著書に沿っていました。
書をするうえでの大きなヒントになると思います。
講演後、会場で何種類かの本が売られていましたので、一冊求めてサインをしていただきました。
↓2009年12月21日に追加しました。
↑
『近代書史』で、第36回大佛次郎賞を受賞されました。
2009年12月21日朝日新聞朝刊より
◇◇◇
帰り道、かねがね気になっていた家の近所のラーメン店に初めて行ってみました。
魚系のだしで、たまにはいけますね。
場所は、二条高倉下がる東側です。
- 2007.11.23 Friday
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- 23:13
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- by 手作り住所印のお店「寧洛菴」中谷和玄