北大路魯山人刻の木額「御水引老舗」 京都市上京区
- 2015.06.17 Wednesday
- 書画メモ
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北大路魯山人(きたおおじろさんじん)書・刻の木額
元祖 御水引老舗
(*右から読みます)
京都市上京区
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落款部分拡大
「戊午孟春為源田善右衛門君魯卿山人作[印【北大路氏】【大観】]」
北大路魯山人作のこの大看板(幅約5メートル・材ケヤキ)は、
京都市上京区中立売通堀川東入る南側に建つ
老舗「源田紙業株式会社」のビルに
ド〜ンと掲げられています(濡額)。
魯山人がこの木額を刻したのは
戊午(この場合は1918年〔大正7年〕にあたります)孟春(一月)。
魯山人35歳。
電車で行くなら、
京都市営地下鉄烏丸線「今出川駅」から歩いて20分以内です。
源田紙業は771年創業(゚ロ゚)。
日本最古の和菓子屋さん「一文字屋和助〔京都市北区〕」(1000年創業)よりも
200年以上も古いことになります。
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北大路魯山人
きたおおじ‐ろさんじん【北大路魯山人】
陶芸家。本名、房次郎。京都生れ。
はじめ書・篆刻で名をなし、のち料理・食器の研究にあたる。
北鎌倉に窯を築き多彩な陶磁器を製作。(1883〜1959)
広辞苑
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拝啓 魯山人先生・・・
炊飯器の広告
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すき焼きを料理する魯山人
*これらの庭園写真と魯山人は、関係がありません。。
◇◇◇
(↓会津八一[あいづやいち]書)
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こちらは、
東京日本橋の古美術店・壷中居(こちゅうきょ)の木額
「壷中居 秋艸道人」(62×187センチ)
会津八一書(昭和6年の夏)
この看板↑が店の軒にあがったあと、
魯山人がたまたま店にやってきました。
しばらく見上げ、
ウームと唸って立ち去ったということです。
後日店に来た会津八一に、
番頭がその時の様子を伝えました。
その時八一は眼を細め、
一言「ホウ」といって
黙っていたということです。
会津八一は昭和31年11月21日逝去、
北大路魯山人は昭和34年12月21日逝去。
二人とも76歳でした。
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東京日本橋「壺中居美術店」
*木額は店内
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会津八一と歌碑(奈良)
あいづ‐やいち【会津八一】
歌人・書家・美術史家。
秋艸(しゅうそう)道人と号す。
新潟県生れ。早大卒。
万葉風を近代化した独自の歌風を確立。
歌集「鹿鳴集」、書跡集「遊神帖」など。
(1881〜1956)
同
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会津八一
◇◇◇
篆刻印の話に変わりますが、
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篆刻印印影・約12ミリ角 「潤一郎」
私は谷崎潤一郎のこの印↑はけっこう好きで、
(「郎」左下部の処理の仕方に何ともいえない魅力があります)
この印影を机の横に貼付けて時々眺めています。
刻者は魯山人です。
以前、谷崎展に、谷崎が用いていた印が二顆展示されていて、
その小さな印面をガラス越しに凝視したのですが(単眼鏡で)、
そのとき、
上↑の印の刻者は魯山人、
ということがわかりました。
展覧会でその印を見るまでは
上の印影の印は、
誰が刻したものなのかわかりませんでした。
下↓の画像が印本体です。
印影は展示されていませんでしたが、
印影は家でときどき眺めていましたので、
印面をみたときに、
すぐに
「あっ、あの印はまさにこれだ」とわかりました。
↓図録より
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北大路魯山人刻谷崎潤一郎所用印
1919年(大正8年)刻
魯山人36歳
このとき谷崎は33歳
印影再掲載
↓
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第一高等学校校友会雑誌委員の新旧交替記念
明治41年5月
前列左より2番目谷崎潤一郎(22歳) 前列中央・新渡戸稲造校長(46歳)
↓拡大
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山形の地方新聞社への就職を決めたときの記念写真。
前列中央・潤一郎
明治43年
でも、実際には行かなかった・・・
にとべ‐いなぞう【新渡戸稲造】
思想家・教育家。南部藩士の子。
札幌農学校卒業後、
アメリカ・ドイツに留学。
京大教授・一高校長などを歴任。
国際平和を主張し、
国際連盟事務局次長・
太平洋問題調査会理事長として活躍。
カナダで病没。
英文の「武士道」ほか
「農業本論」などを著す。
(1862〜1933)
同
たにざき‐じゅんいちろう【谷崎潤一郎】
小説家・劇作家。東京生れ。東大中退。第2次「新思潮」同人。
「刺青(しせい)」「少年」など、
耽美と背徳の空想的な世界を華麗に描いたが、
大正後期から日本的な伝統美に傾倒し、
王朝文学の息吹きを現代に生かした新しい境地を拓いた。
作「蓼喰ふ虫」「春琴抄」「細雪」
「少将滋幹の母」など。文化勲章。(1886〜1965)
同
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谷崎潤一郎
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谷崎潤一郎
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谷崎潤一郎の御両親(倉五郎と関)
明治20年頃
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「北大路魯山人生誕地 京都」和玄メモ
「八百三(やをさん)の柚味噌(ゆうみそ) 京都」和玄メモ
「聘珍樓(へいちんろう)の肉まん・あんまん」和玄メモ
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「文人愛用味わい住所印ギャラリー・26――小説家・劇作家・評論家 坪内逍遥」和玄メモ
京都国立近代美術館 2015年6月19日〜8月16日
「ユネスコ無形文化遺産登録記念 北大路魯山人の美 和食の天才」
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- 2015.06.17 Wednesday
- 書画メモ
- 20:30
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- by 手作り住所印のお店「寧洛菴」中谷和玄