新しいコンテンツ(中庸・標準的な手書き筆文字を徹底的に追究するコンテンツ。書体は誰もが読める楷書・行書・カタカナ・ひらがな)〔その3〕(全5回)



その1〕〔その2〕からのつづきです。




だれもが読める書体楷書・行書・ひらがな・カタカナ)と、


誰もが持っている  “名前”  に焦点をしぼって、
10パターン前後に書き分けています。中には、
ひらがなだけで10パターン以上書いたものもあります。
文字は、〈“ごく普通”の楷書〉と、〈カタカナの、ごく普通の楷書体〉が
断トツに難しい。
こういう原理でこうやって書けば整う、とは分かっていても、
なかなか簡単にはいかない、それが楷書と、カタカナの楷書体です。
曲線を書くよりも直線を書くことの方が難しいということにも
大いに関係があります。
もっとも、その難しさを感じる度合いは、
その人その人が目指すところの設定の高さ低さや、
文字バランスに敏感か鈍感かにもよります。

[※書写的な普通の文字をバカにしているような人もいますが、
難しさを理解できるようになるまで書き込んだことがないのだと思います

外見的には、巨大な紙に一文字が二文字書く作品に比べて、
簡単で体力も要らないように思われるかもしれませんが、
細字でも、細部まで徹底的に神経を行き渡らせれば、本当に相当体力を消耗します。
大きな文字は、それだけで一見頑張っていていかにもすごそうに見える分、まだラクです。
細字の難しさは、これらの見本と同じように書いてみればきっとよくわかります。
こけおどし不可能。
中でも、「楷書」と「カタカナの楷書体」を書けば、
バランスに敏感なら〕かなり苦しい思いをするはずです。

比較的書きやすいのは連綿[つづけ字]のひらがな
 
 


その最高に真面目な見本を、世の一番端っこから提示し、

あわよくばそこから、

いままで文字にあまり興味の無かった人(o興味をもてなかった人)の、 

本当はその奥底に眠っているかもしれない文字への関心を誘発できればいいな、

 
そして、普通の文字の妙味や深さにどんどん興味を持てるようになればいいな

ということを考えています。

※自分の名前もさることながら、人の名前も美しく書きたいものです
  



半紙の手本で「たこあげ」とか「大きな風船」とかをよく見かけますが、

半紙に書くようなサイズで「たこあげ」のような言葉を書くことは、

その先の人生で、普通はまあほぼありません。

半紙に大きめに文字を書くという教育的な意味はわかりますが、

(基礎的な毛筆書写に自信のない教員が今は特に多いこともあって)そのねらいが

児童にほとんど伝わっていません。


目の前にある課題の形だけを

よくわからないまま毛筆で適当に真似して、

ハイ終わり、では、


別の文字や硬筆に応用できないどころか、

実生活との連係もとれるわけがありません。


半紙の中だけで字がうまい人、では終わらず、

実生活に生かしたいものです。
 
多くの児童生徒は、あたかも風景の写生みたいに、

形を真似ることに必死で、ひとたび手本から離れれば、

何を習ってきたのかわからないくらい、他の文字に応用できません。

果ては、一時間前の書写の時間に何の熟語を書いたのかさえ、

まったく覚えていないほどです。
  
手本が意図しているところを読み取っている児童生徒がたくさんいるとは思えません。
 
意図を読み取り、それを応用できるのなら、

世の中に普通の字がうまい人など、ごろごろいるはず。

半紙の中ではうまいけど、さあ生活に戻ればまともに書けない。


義務教育で、半紙に毛筆で大きく書くことは、細部をおろそかにしないため、

すなわち、硬筆のための毛筆という位置づけですが、
 
そういうことはさておき、

そもそも半紙に四字熟語などを書いてきた、

昔からの教育は(※情操教育や躾での意義はひとまず横に措いておいて)、

よい結果を出してきたといえるのでしょうか。
 
普通の文字を書く技術は、昔の書家に比べてどんどん低下しています。
 
結果的に、 半紙に大きめに字をただうまく(無思慮に)書く、 という、

そのことがだけが目的になってしまってはいないでしょうか。
 
真似させられている、という負の感覚を与えていないでしょうか。

半紙に四字熟語とかを毛筆で手本通りうまく書けたからといって、

そしていい賞をもらったからといって、どうということもありません。

集中力を鍛えた、という意味ではよいかもしれませんが。。

問題はそこからどうするか、どう生かすか、です。
 

ほとんど生かせないのであれば、

外国人が日本へ旅行し、


伝統文化・芸能を半日体験などでちょっとかじって、

満足して
帰国するような状態とあまり変わりません。

半紙に大きめに書くことはどこまでも“手段”であって、“目的”ではありません。

元気よく書けました!とか、それは観点がちょっとずれています。


文字の書き方を習うのであれば、

将来的には、封筒やハガキに書くような字粒で、

さまざまな名前を正しくきちんと書きこなせるようになりたいな、という、

そういう意識をもちながら取り組みたいものです。

※むろん、文字を書く場面で何より大切なことは正しい文字を書くことです。
元気に書けたとか上手い下手とかは二の次

古典の臨書も、原寸大で真似られる技術を身につけたいもの


自らすすんで書きたいとおもうような、そういうスイッチが入るきっかけを、

教育の場面にて与えることができれば、

文字教育としては最高ではないでしょうか。


書写の時間のみが文字教育でないことは言うまでもありません。

美しい板書を見ても児童は感激します。

 

他に全く応用できないにしても、

毛筆に墨をつけて文字を書くという文化を

若い時に体験するという意味ではよいかもしれませんが、

外国人が旅行にきて、

「オー! フデ」 「オー! スミィ」

「オー! フデデカイタ、カナァ、カンジィ」

といっているような、

「書道半日体験」みたいなことと同じようにだけは

なりたくないものです。


 

◇◇◇
 
 
↓名前文字見本の質は、だいたい一律、下のような感じです。原稿束の上にあったものを今ここに載せました。(一様に安定したものを例示することを、大事な目標のひとつに据えています)

 ※ウェブ用に、すべての画像の画質をやや下げています。実際より線がやや膨張して見えています。実物の書線はもう少し引き締まっています
 
実月(楷書1).jpg

実月
(楷書1)


「実」字の最終画の、始筆の場所に注意しましょう。
キワから始めずに、ややずらすことがポイント。
1カ所にギュッとかためると、その場所が変に目立ってしまいます。

↓下の部分のことです。
w活字「実」.jpg

この活字のようになってしまうと、
視覚的に気になります。


「実」字ではありませんが、
古典「九成宮醴泉銘」楷法の極則)で見てみます。



w九成宮「天」字.jpg
(^^)




w九成宮「跨」字.jpg
(^^)





w九成宮「杖」字.jpg
(^^)




w九成宮「者」字.jpg
(^^)


これはけっこう高度。

緑の部分はわかりやすいのですが、
ピンクの部分はかなり高度です。

書写では、部分のようにはしますが、
ピンクの部分のようにまではしないようです。





このような感じに、ふつうに「日」を書きます。








実月(楷書2).jpg

実月
(楷書2)


「実」の最終画は、一般的にはこのようにトメて書きます。

とめた方が書きやすいからです。字を書いてきたのは人間ですので、
人間の書きやすい書き方が基準になってくるのは当然です。






実月(行書1).jpg
↑実月
(行書)


以下の四種も行書

実月2.jpg




実月3.jpg





実月5.jpg





実月4.jpg







ミヅキ1.jpg

ミヅキ


(カタカナ)


ミヅキ2.jpg

これは、隷意をもたせて書いたカタカナです。
このタイプのカタカナには、例えば、

「ユウコ」・「ユーコ」(※棒引き仮名づかい)、
「イチロウ」・「イチロー」(※棒引き仮名づかい)のように、
2種類書いたものもあります。
《*また例えば、今日子はケフコとはせず、キョーコとします。
蝶もテフとはせずチョーとします。
夕子なども、ユフコではなくユーコとします》


 ★【棒引仮名遣(ぼうびき‐かなづかい)
字音の長音を棒引きの符号「ー」で記す仮名遣。
1900年(明治33)8月公布の小学校令施行規則により
当時の小学校の教科書はこれに拠ったが、
08年9月文部省令により廃止。『広辞苑』


 ★【棒引き仮名遣い(ぼうびきかなづかい)
字音語や感動詞の長音を
「こーちょー(校長)」「いーえ(いいえ)」のように、
「ー」を用いて表す仮名遣い。
1900年(明治33)の小学校令施行規則によって
小学校の教科書で用いられたが、
08年の文部省令で廃止された。『大辞林』



 
みづき1.jpg


みづき

(ひらがな)
以下同

みづき2.jpg




みづき4.jpg


ひらがなの【つ】は、【川】という漢字が草体化して(くずれて)できたものです。
上の【つ】は、【つ】の形までくずれてくる前の段階の書き方です。
【川】の、一画目、二画目、三画目を意識した書き振りです。
《とんかつ・かつや》の看板は、この【つ】で書かれていますね。




みづき3.jpg


「づ」字の点点(濁音符)は、「みつ」と書いてからうっても、
「みつき」と書いてから最後にうっても、どちらでも大丈夫です。
「みつき」を3文字連綿(つづけ書き)した場合は、
むろん点点は最後にうちます。





みづき6.jpg



みづき5.jpg




みづき7.jpg



みづき8.jpg



みづき9.jpg


※ひらがな・カタカナ項は、発音が他の名前と重複していても、
何一つ兼用していません。
例えば、「明子」「昭子」「晶子」項の、「アキコ・あきこ」は、
それぞれその都度書いているということです。
違いは微妙ですが、それぞれすべて違いますので、
参考にしていただけると思います。




*これらの文字は、
A4の普通の市販のコピー用紙(やや上質)に、
小さな枠をたくさん印刷して、その枠にどんどん書いています。
紙の表面がなめらかですので、

お金を出せばもっとなめらかな紙はいくらでもありますが、
原稿の枚数を考えると金銭的にとんでもないことになりますので、高価な紙は使っていません

書いた文字をこのように数倍に拡大して載せても、
線の肌が滑らかになっています。

しかしまあ、こういうごく普通の線を、ごく普通に書けるようになるまでは、
むろんかなりの訓練が必要です。

いずれコンテンツ内に、
当方が書いている枠サイズと同じサイズの枠を並べた用紙を、
プリンターで印刷できるページを設けます。

家にプリンターさえあれば誰でも印刷できますので、同じ条件で練習できます。

枠を1.5倍に拡大し、それをいくつか並べたものも用意する予定です。
1.5倍のほうは、A4サイズの用紙に入る枠数がずいぶん少なくなってしまいますが、
最初のうちは大きめの方がはるかに書きやすいと思います。

見本は毛筆ですが、
ペン・鉛筆・筆ペンでも、もちろん練習になります。
毛筆文字の力加減を、硬筆で書くときに意識することによって、
文字におのずと深みが加わってきます。



 
 
ミヅキ(フォント).jpg

毛筆フォントで「ミ ヅ キ」と打ち、
枠を加えたものです。
行がゆがんでみえます。



みづき(フォント).jpg

毛筆フォントで「み づ き」と打ち、
枠を加えたものです。
行がゆがんでみえます。
 

*参考までに
教科書体」の
「実」「月」を
載せておきます。
実教科書体1.jpg
月教科書体2.jpg
きょうかしょ‐たい【教科書体】 
教科書用楷書体の略。和文活字書体の一つ。
楷書体を筆写体風に修正したもの。教楷体。

広辞苑より


上の「実」字について
教科書体ですが、
大きくしてみると、形がけっこうゆるいことがわかります。
それはまあいいとして、普通、“手で書く”場合、最終画はトメます。
人間が手で書くとき、トメた方が書きやすいということは、
書いてみればわかります。はらうと右下が狭苦しくなります。
「美」「英」なども同じ(最終画、トメが一般的です)。
学校の書写教育でははらってあるため、
当コンテンツの見本では一応どちらも書いています。
もちろんどちらも○です。とめたら間違いとかいう教育は
それこそ間違っています。重なりますが、普通はトメます。





実教科書体1.jpg
月教科書体2.jpg

活字

手書き

実月(楷書2).jpg

「実」の最終画は、一般的にはとめます。

もちろん、はらっても可です。↓
(でも、書きにくいことは確か)
実月(楷書1).jpg

例えば、実月という名前の人にとっては、
「わたしは、実の最終画は、はらった方が末広がりのようで好き」
という意見もたくさんあると思います。
よって、「はらう」か「とめる」かは、人それぞれ、自由です。
両方ある、と知っておきさえすれば、あとは人それぞれの好みです。



実教科書体1.jpg
ちなみに、↑この教科書体の「実」字を見ながら、
手で「実」字を書こうと思った場合、
どの部分を強調すればよいのかよくわかりませんよね。
「実」をこの字体で書く場合は、
最終二画(7・8画目)を強調する気持ちで書きましょう。
他の部分はほんの気持ち抑えて書きます。
(二つ上の手書きの「実月」画像の「実」字参照)

新しいコンテンツへ

その4〕〔その5〕へつづく。



その1〕へもどる。〔その2〕へもどる。


 




広告



        

calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>
        

profile

手作り住所印のお店「寧洛菴」

手作り住所印のお店「寧洛庵」はこちら
あなただけのオリジナル住所印をお作りします。

「寧洛菴」は、日本で唯一の篆刻住所印専門店です。

お届けまでの日数は、現在約60日間いただいております。《誠に勝手ながら、多忙につき暫く休業致します(受注およびお問い合わせも休止させていただきます)。再開日は未定です。誠に申し訳ございません》

entries

categories

archives

        

スポンサードリンク

        

links

search this site.

others

mobile

qrcode