新しいコンテンツ(中庸・標準的な手書き筆文字を徹底的に追究するコンテンツ。書体は誰もが読める楷書・行書・カタカナ・ひらがな)〔その1〕(全5回)
- 2014.11.22 Saturday
- 新しいコンテンツ
だいぶ前、
新しいショップを考えている、ということを、
当ブログで書いたことがありました。
そしてその後、余暇のほぼすべてをその準備にあてている、
とも書きました。今でもそれはずっと変わりません。
(寝食を忘れて、といいたいところですが、食べることは忘れられません)
着手を決めたときに覚悟はしていましたが、
他のしたいことがほとんど何もできません。。
すればわかります。
取り組む前は、実際のところ、もう少しラクに書けるだろうと思っていました。
しかし、その考え方は甘かった。予想外に道は険しい。
他に取り組みたいこともたくさんありますが、
しばらくはこれに気力を集中しなければなりません。
最初は、ショップ、という体裁にまで仕上げる時期を、
だいたいこの夏頃の時期と考えていました。
今回のブログテーマの “新しいコンテンツ” とは、
その、いつか生み出したいと思っているショップの中に
組み込む予定のコンテンツのことで、
当初、そのコンテンツ “単体” での公開は考えていませんでした。
しかし、思いのほか準備に時間がかかり、
(作業を一人でしているわけではありません。理想像を、団結して一緒に作り上げたい同志と共に、
できるだけ多くの時間をその構築に充てています)
当コンテンツを活用した(組み込んだ)新しいショップに仕上げるまでは、
まだまだかなりの時間がかかりそうです。
(当分無理です。組み込むコンテンツを構築するだけでフウフウいっています)
そこで、計画を変更し、
まずは コンテンツ単体 で公開することにいたしました。
ただ、当コンテンツに使う、素材自体の準備は着々と進んではいるのですが、
それをはっきりと見やすく・わかりやすく表示する作業に、
殊のほか時間がかかります。
よって、ある程度まとまったものを一気にアップするという方法もやめて、
随時少しずつ内容を加えていくことにいたしました。
すでに公開していますが、まだまだ小規模です。始めたばかりです。
これから随時できるだけ更新していきます。
しばらく運営者情報は伏せてコンテンツを運営するつもりですので、
ここにはコンテンツ名を打ちません。
名はここから2枚下の画像中の左下に組み込んでいます。
まあ、ちょっと検索すれば誰が運営しているものなのかはすぐにわかると思いますが……。
(当ブログのために使っていた時間も、すべて、
新コンテンツ素材の筆記・コンテンツ制作に充てています。
これからもウエートはそちらにおきます。
余暇のほとんどすべてを文字見本の筆記に充てていると、
他のものに集中する気力がほぼ残りません。
意力をこめて作っていますので、文字をきちんと書けるようになりたい方は、
見た方がよいコンテンツだと思います。
通勤通学途中などのちょっとした時間や何かの待ち時間に、
ランダムにただ眺めているだけでも、文字感覚がぐんと鋭くなってくるはずです。
眼を高めない限り、決して手は高まりません。まずは目利きになりましょう)
素材自体はたくさん出来ています。
(いったん定めた目標数には到達しました。でもまだまだこれからです。)
↑
A4 の紙に、細字をびっしり書いています。
積み上げると180センチ以上(° °)。
(これは数ヶ月前の写真。今積めばさらに高くなります)
頁数を際限なく増やせる ネット があるからこそ、
わたしたちはこれを手掛けてみようかという気持ちになることができました。
紙媒体での発信方法しかなければ、
百科事典をずらっと並べたような規模になってしまいます(>_<)。
現実的ではありません。
出版物は精査されていて確かだ、
とかいうおめでたい意見があるかもしれませんが、
文字をきちっと書くというコンセプトの出版物で、
この何十年間の書物を見渡して、当方が満足できる字のものは
そんなに多くはありません。
もっとちゃんと書こうよ・書き直そうよ、
という感じで見てしまいます・・・
ホームページにこれらの文字見本を載せるときは、
すべてを数倍に拡大して、見やすく載せます。
(拡大したものを載せなくても、画面を拡大すれば文字は大きくはなりますが、元画像が小さいと線がかなりぼやけてしまいます)
(これも、頁数をいくらでも増やせるネットのページだから可能です)
書く技術的には、最初から文字を大きく書けばちょっとはラクですが、
大きく書けば、そのぶんあらゆる材料をずいぶん浪費してしまいます。
原稿のカサも無意味にふくらみすぎます。
細字は、大きめに書く字に比べて難易度が格段に上がるとはいえ、
勘案すればやはり細字がベスト。筆力を鍛えるよい訓練にもなります。
さらに、文字を何倍にも拡大して載せることで、
(これは個人的なことではありますが)自分の弱点が相当よくわかります。
[これにより、当コンテンツを運営しながら、細かい部分を今まで以上にゆるがせにしない技術や思考を磨くことができます]
古典を見て何より驚くことは、
かなり拡大して載せてあるものを見ても、
細部まで、
しゃきっ!としていることです。
A4 の紙に、細字をびっしり書いています。
積み上げると180センチ以上(° °)。
(これは数ヶ月前の写真。今積めばさらに高くなります)
頁数を際限なく増やせる ネット があるからこそ、
わたしたちはこれを手掛けてみようかという気持ちになることができました。
紙媒体での発信方法しかなければ、
百科事典をずらっと並べたような規模になってしまいます(>_<)。
現実的ではありません。
出版物は精査されていて確かだ、
とかいうおめでたい意見があるかもしれませんが、
文字をきちっと書くというコンセプトの出版物で、
この何十年間の書物を見渡して、当方が満足できる字のものは
そんなに多くはありません。
もっとちゃんと書こうよ・書き直そうよ、
という感じで見てしまいます・・・
ホームページにこれらの文字見本を載せるときは、
すべてを数倍に拡大して、見やすく載せます。
(拡大したものを載せなくても、画面を拡大すれば文字は大きくはなりますが、元画像が小さいと線がかなりぼやけてしまいます)
(これも、頁数をいくらでも増やせるネットのページだから可能です)
書く技術的には、最初から文字を大きく書けばちょっとはラクですが、
大きく書けば、そのぶんあらゆる材料をずいぶん浪費してしまいます。
原稿のカサも無意味にふくらみすぎます。
細字は、大きめに書く字に比べて難易度が格段に上がるとはいえ、
勘案すればやはり細字がベスト。筆力を鍛えるよい訓練にもなります。
さらに、文字を何倍にも拡大して載せることで、
(これは個人的なことではありますが)自分の弱点が相当よくわかります。
[これにより、当コンテンツを運営しながら、細かい部分を今まで以上にゆるがせにしない技術や思考を磨くことができます]
古典を見て何より驚くことは、
かなり拡大して載せてあるものを見ても、
細部まで、
しゃきっ!としていることです。
ところで、
そのコンテンツは、
(上の緑の部分などと内容が重なりますが) “文字を書く” という技能に焦点をしぼったものです。
そして、
我々日本人みんなが読める文字(書体・字体)のみを扱っています。
ほとんどの人が読めない文字など世に浸透するはずがありません。
さらに当コンテンツでは、
誰もが持っている “名前” をその中心にすえています。
◇◇◇
↓名前文字見本の質は、だいたい一律、下のような感じです。原稿束のちょうど一番上にあったものを今ここに載せました。一様に安定したものを例示することを、大事な目標のひとつに据えています。(実際のコンテンツでもこの名前から始めています)
(※ウェブ用に、すべての画像の画質をやや下げています。実際より線がやや膨張して見えています。実物の書線はもう少し引き締まっています)
↑葵衣(楷書)
楷書が一番難しい。
↑葵衣(行書1)
↑葵衣(行書2)
↑葵衣(行書3)
↑葵衣(行書4)
↑アオイ
(標準的な片仮名)
こういうごくごく普通の片仮名は、楷書と同じくらいかなり難しい。
書けばわかります。
↑
アオイ
これは、隷意をもたせて書いたカタカナです。
こういうのは書きやすい。
このタイプのカタカナには、
例えば、
「ユウコ」・「ユーコ」(※棒引き仮名づかい)、
「イチロウ」・「イチロー」(※棒引き仮名づかい)のように、
2種類書いたものもあります。
《*また例えば、今日子はケフコとはせず、キョーコとします。
蝶もテフとはせずチョーとします。夕子なども、ユフコではなくユーコとします》
★【棒引仮名遣(ぼうびき‐かなづかい)】
字音の長音を棒引きの符号「ー」で記す仮名遣。
1900年(明治33)8月公布の小学校令施行規則により当時の小学校の教科書はこれに拠ったが、
08年9月文部省令により廃止。『広辞苑』
★【棒引き仮名遣い(ぼうびきかなづかい)】
字音語や感動詞の長音を「こーちょー(校長)」「いーえ(いいえ)」のように、
「ー」を用いて表す仮名遣い。
1900年(明治33)の小学校令施行規則によって小学校の教科書で用いられたが、
08年の文部省令で廃止された。『大辞林』
↑あおい
(標準的なひらがな)
始筆を押さえすぎないようにしています。
すなわち、
“かな”的な運筆(すぅーと入ってすぅーとぬく運筆)を示すことにしています。
実生活に生かしやすい書き方です。
↑
あおい(ひらがな2)
↑
あおい(ひらがな3)
↑
あおい(ひらがな4)
↑
見本文字の中では、このようなつづけ字(連綿)のひらがなが最も書きやすい。
↓
↑
あおい(ひらがな5)
↑
あおい(ひらがな6)
↑
あおい(ひらがな7)
↑
あおい(ひらがな8)
※ひらがな・カタカナ項は、発音が他の名前と重複していても、
何一つ兼用していません。例えば、「明子」「昭子」「晶子」項の、
「アキコ・あきこ」は、それぞれその都度書いているということです。
違いは微妙ですが、それぞれすべて違いますので、
参考にしていただけると思います。
◇◇◇
*これらの見本文字は、
A4の普通の市販のコピー用紙(やや上質です)に、
小さな枠をたくさん印刷して、その枠にどんどん書いています。
紙の表面がなめらかですので、
(お金を出せばもっとなめらかな紙はいくらでもありますが、
原稿の枚数を考えると金銭的にとんでもないことになりますので、
高価な紙は使っていません)
書いた文字をこのように数倍に拡大して載せても、
線の肌が滑らかになっています。
しかしまあ、こういうごく普通の線を、
ごく普通に書けるようになるまでは、
むろんかなりの訓練が必要です。
いずれコンテンツ内に、
当方が書いている枠サイズと同じサイズの枠を並べた用紙を、
プリンターで印刷できるページを設けます。
(コンテンツの見本文字に使っている実際の枠は、石に刻して、ほんのきもち味を出したものです。
刻した枠はひとつで、それを縦に引き伸ばしたり横に引き伸ばしたり、
反転させたりして、数種類の枠を作りました。
長い枠、長い二重枠、短い枠、短い二重枠、サイズは、それぞれ、もちろんすべて統一しています。
プリントアウト用の練習用枠は、パソコン上で作ったものを使います)
家にプリンターさえあれば誰でも印刷できますので、
同じ条件で練習できます。
枠を1.5倍に拡大し、それをいくつか並べたものも用意する予定です。
1.5倍のほうは、A4サイズの用紙に入る枠数が、
ずいぶん少なくなってしまいますが、
最初のうちは大きめの方がはるかに書きやすいと思います。
※紙の表面に凹凸があまりない、
コピー用紙のようなものに毛筆で書けば、
筆力を相当鍛え上げることができますよ。
鋒先のエッジを利かせるための、いい訓練になります。
最初はつるつるとすべっている感覚がありますが、
訓練すれば段々と書けるようになってきます。
紙の表面を鋒先で切り裂いているような、
そういう感覚を得られるようになれば、
エッジが利いてきたということです。
見本は毛筆ですが、
ペン・鉛筆・筆ペンでも、もちろん練習になります。
毛筆文字の力加減を、硬筆で書くときに意識することによって、
文字におのずと深みが加わってきます。
◇◇◇
↑
毛筆フォントで「ア オ イ」と打ち、
枠を加えたものです。
↑
冠婚葬祭の筆耕業の方が書くような文字に似ている。ぬたぁ〜っとしている。
明るさや内部空間のスッキリさが足りない、ということです。
これと同じ太さでも、
点画を布置する場所を工夫して文字を作れば、もっとすっきりとみせることができます。
(※勘亭流などは、黒々と密集させて書くことがコンセプトですのでむろん例外です)
↑
毛筆フォントで「あ お い」と打ち、
枠を加えたものです。
行がゆがんでみえます。
↓*参考までに
「教科書体」の
「葵」「衣」を
載せておきます。
↓
「教科書体」の
「葵」「衣」を
載せておきます。
↓
きょうかしょ‐たい【教科書体】
教科書用楷書体の略。和文活字書体の一つ。
楷書体を筆写体風に修正したもの。教楷体。
広辞苑より
「葵」字について
活字では最終画をはらって↑ありますが、普通、“手で書く”場合、最終画はトメます。
例えば「養」や「食」も、最終画は同じくトメます。
ハライがふたつ重なるのは美的ではありません。
ただ、どちらで書いても○です(両方ともはらっても問題ありません)。
とはいっても、重なりますが普通はトメます。トメたら誤字とかいう教員がいるとすれば、
その教員が誤りです。とめたらなぜ誤字なのか、どのように説明できるというのでしょうか。
活字と手書きは違うもの、と頭の中に入れておく必要があります。
そもそも活字は手書きよりも後にできた文字です。
(上の、トメやハライの内容に関連したことですが)
例えば、「饗」字で、最終画をはらって書く構築のしかたもありますが
(隷書からの流れのような形のとりかた)、そのときは食の二画目は、
(はらいが重ならないよう)とめるようにします。
・・・・・・・・・・
「衣」字について
フォントは正方形の中におさめようとする文字ですので、
「衣」の二画目は、↑上の教科書体のように長くなってしまいますが、
手で書く場合、基本的には、二画目をもう少し短めに書いておくことによって、
三画目と最終画を強調します(一対強調)。
そうすることによって、末広がりの美しい三角形になりますね(^_^)v。
一画目の書き方は、↑上の教科書体のような書き方、
右斜め下方向に点を書く書き方、どちらも○です。
◇◇◇
↑
活字
(活字は正方形に入れようとする形のとりかたですので、
ベタンとなってしまっています。上下から押しつぶされたように見えます)
※このような教科書体を参考にしていても、なかなかうまくなれません。
どちらかといえば眼がやられます。
背筋の伸びた文字を書けるようにはなれません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
手書き
↓
補助線を加えてみます。
↓
↓
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〔その2〕〔その3〕 〔その4〕〔その5〕へつづく
- 2014.11.22 Saturday
- 新しいコンテンツ
- 17:48
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- by 手作り住所印のお店「寧洛菴」中谷和玄